AUTH thru(オースルー)ってなに?
AUTH thruは、株式会社ロココが開発した顔認証入場システムです。「オースルー」と読みます。
ひとことで言うと、「顔パスで会場に入れるシステム」。事前に顔写真を登録しておくと、当日は会場のカメラに顔を向けるだけで本人確認が完了します。チケットを見せる手間もなく、スタッフに身分証を渡す必要もありません。
なぜ導入されたの?
いちばんの目的はチケットの不正転売(高額転売)を防ぐことです。顔認証なら「申し込んだ本人しか会場に入れない」ので、転売チケットを買っても入場できません。ファンに正規でチケットが行き渡るための仕組みです。
どういう仕組みなの?
「1:N照合」という方法を使っている
AUTH thruが使っているのは「1:N照合(いちたいエヌしょうごう)」という技術です。わかりやすく言うと、こんな流れです。
- あなたの顔をカメラが読み取る(これが「1」)
- 申込者全員の顔データと瞬時に照合する(これが「N」)
- 一致した人を「本人」として認証 → 入場OK
普通の顔認証は「この写真とこの顔は同じ人?」という1対1の確認ですが、AUTH thruは「この顔は登録者の中の誰?」を一瞬で判定します。
「骨格」を見ているから、メイクが変わっても大丈夫
ポイントは、顔の画像をそのまま見比べているわけではないこと。AIが「顔特徴量(フェイスベクトル)」というデータを使っています。これは、目・鼻・口の位置関係や顔の骨格を数値化したもの。だから、髪型が変わっても、メイクが違っても、基本的には本人と認識されます。
※認証のたびに顔データが自動更新される仕組みのため、加齢や多少の見た目の変化にも対応できます。
STARTOコンサートでの導入状況
AUTH thruはもともとHKT48のライブやラブライブ!などで使われてきたシステムです。STARTOエンタメ系で本格的に導入されたのは2025年末から。2026年以降、ジュニア系の公演を中心に急速に広がっています。
※STARTO以外ではHKT48(2020年頃から継続)、ラブライブ!、熊本城マラソン(2023年〜)などでも導入されています。
顔データの「使い回し」ってどういうこと?
とあたく会や嵐ツアーは、顔写真の事前登録はありましたが「写真を保存・共有します」という公式の記載はありませんでした。一方、2026年のジュニア系公演では、登録した顔写真が複数の公演をまたいで使い回しされることが公式で示されています。
たとえばB&ZAI LIVE 2026で登録済みの人は、関西ジュニア Youth 2026などでも再登録の必要がありません。「また登録し直し?」と身構えなくても、すでに対象公演で登録していればそのまま使われます。
あくまで筆者の見方ですが、ジュニアは同じファンクラブ(同じ会員番号)で申し込める公演が多いのが理由だと思います。短期間にいくつも公演があるので、毎回登録させると会員にも運営にも手間。だから一度登録した写真を使い回しているのではないでしょうか。逆に言えば、今後ほかのグループにも広がれば、写真の扱いはまた変わる可能性があります。参戦する公演ごとに最新の案内を確認するのが確実です。
顔写真の登録方法
顔写真の登録は、チケット当落後にFAMILY CLUB(ファンクラブ)から届くメールに記載された専用サイトから行います。
- 申し込み完了メール内の顔写真登録URLにアクセス
- スマホで自撮り、または保存済みの写真をアップロード
- AIが写真をチェック(不備があると再提出を求められる)
- 承認されたら登録完了
登録期限は公演ごとに違います。同行者がいる場合は、同行者の顔写真登録も期限内に必要です。1人でも未登録だと当日トラブルになるので、メールが届いたら早めに済ませましょう。
承認されない写真のNG例
顔写真は、アップロードした時点でAIが「顔認証に使える画像かどうか」を自動でチェックします。ロココの公式資料にも、登録時に利用可能な画像かの簡単なチェックに対応していると明記されています(出典:株式会社ロココ「AUTH thru 紹介資料」)。条件を満たさない写真は、その場で再提出を求められます。よくある「承認されない写真」の例がこちらです。
具体的には、次のような写真は登録ではじかれやすいです。
- ピンぼけ/光が反射している/逆光で顔が暗い … 顔の特徴をうまく読み取れない
- 顔がアップすぎる/顔が小さすぎる … 顔全体が適切なサイズで写っていない
- 他人や物が映り込んでいる … 誰の顔か判別できない
- 目を閉じている/髪・帽子で顔が隠れている … 目鼻立ちが見えない
- 免許証など身分証を撮影したもの/アプリ加工・輪郭や目の大きさを変えた写真 … 本人の素顔と認識されない
ポイントは「明るい場所で、正面から、顔全体がはっきり写った素顔」を選ぶこと。当日の顔に近い、ふだんの自分の写真がいちばん通りやすいです。
当日の入場の流れ
- 入場口でゲートに進む
- 設置されたiPad・カメラに顔を向ける
- 約0.3秒で認証完了 → 入場OK
帽子や前髪で顔が隠れていると認証しにくくなるので、ゲートに近づいたら外すか、顔が見えるようにしておきましょう。
もし顔認証がうまくいかなくても、スタッフが身分証で目視確認してくれます。顔認証ありの公演でも、身分証は念のため持って行きましょう。
よくある質問
Q. iPhoneのFace IDと同じ仕組み?
「顔認証ってFace IDと同じでしょ?」と思っている人が多いのですが、実はけっこう違うというのが筆者の見立てです。ざっくり比べるとこんな感じです。
Face IDは赤外線で顔の凹凸をその場で立体的に読み取るので、写真をかざしても解除できません。一方AUTH thruは1枚の写真で登録できる=立体ではなく「平面の顔の特徴」で見ていると考えられます。偽装のされにくさ(精度)はFace IDが上ですが、AUTH thruは何千人もの来場者を一気にさばけるのが強み。だからライブ会場に向いているわけです。同じ「顔認証」でも、目的も得意分野も別物なんですね。
Q. カラコンやメイクをしていても認証される?
基本的には問題ありません。AUTH thruは目の色ではなく骨格・顔のパーツ配置で判定しているため、カラコンやメイクが変わっても認証されます。ただし、加工アプリで輪郭や目の大きさを変えた写真で登録すると骨格データがズレるため、当日エラーになる可能性があります。登録写真の加工は避けましょう。
Q. 登録写真はすっぴんでも大丈夫?
大丈夫です。ただ、普段コンサートにメイクして行くなら、ある程度メイクした状態で登録した方が安心です。当日の顔に近い状態で撮るのがいちばん確実です。
Q. 複数名義で登録するとバレる?
バレます。同じ顔を複数の名義に登録すると、入場ゲートで「同一の顔が複数名義に紐づいている」とシステムが検出し、エラーになります。発覚した場合はFC会員資格の停止・除名・今後のイベント参加資格停止などのペナルティがあります。リスクが高すぎるのでやめましょう。
Q. 顔データはずっと保存されるの?
公演によって扱いが異なります。とあたく会・嵐ツアー(We are ARASHI)では顔写真の事前登録はありましたが、「写真を保存します」という公式の記載はありませんでした。一方、2026年のジュニア系公演では、複数の公演をまたいでデータが共有されることが公式で示されています。
まとめ
AUTH thru(オースルー)は、「申し込んだ本人しか入れない」ための顔認証システム。骨格を読み取る1:N照合で、約0.3秒・精度99.67%以上の認証ができます。STARTOではジュニア系公演を中心に、2026年以降ぐっと広がっています。
参戦する側がやることはシンプルで、「申し込み完了メールが来たら、期限内に顔写真を登録する」だけ。同行者がいる場合は同行者の登録も忘れずに。加工写真を避けて、当日の顔に近い状態で撮れば、当日はスムーズに入場できます。


コメント